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木工業界の未来を切り拓く「CNCパートナーシップ」の挑戦

左から順に
兼松木工有限会社:成瀬基泰 有限会社コモリウッドワークス:斎藤亜季 株式会社アーティストリー:福島佑真 株式会社アサヒ:石原匡

国内に1,000台以上ある5軸CNC。しかし特注3D木工の現場では

現在、日本国内には1,000台以上の5軸CNC加工機(以下、5軸)が存在していると言われています。しかし、その大半は量産専業メーカーが保有しており、複雑な立体什器や難易度の高い「特注の3D木工」に対応できる会社は極めて限られているのが現状です。

さらに、特注対応が可能なポテンシャルを持つ木工所であっても、これまでは「案件が来ない」「来ても断らざるを得ない」という状態が長く続いてきました。

なぜ、宝の持ち腐れになってしまうのか。そこには、木工業界が長年抱えてきた「3つの断絶」という構造的な原因があります。

木工業界の挑戦を阻む「3つの断絶」

情報の断絶

5軸を持つ木工所の多くが、建築内装業界の「名前が出せない下請け」構造の中に埋もれています。そのため、高い技術力がありながらも、施主・設計者・施工元請から見つけられないという機会損失が起きています。

スキルの断絶

補助金などで高額な機械を導入したものの、社内に3D CAD/CAMを使いこなせる人材や、スキルを教えてくれる先輩、そして技術を外へ広げる営業がいません。その結果、オペレーターが一人で孤独やプレッシャーを抱え込み、新しいものづくりへ挑戦できない状態が続いています。

連携の断絶

木工業界は歴史的に「横のつながり」が薄く、お互いがライバルとして価格を競争し合う時代が長く続いてきました。そのため、自社一社では対応できない大型・複雑案件が来ても、同業他社と協力して「面」で受ける仕組みが存在しませんでした。

 

これらの問題を根本から解決し、中小木工所が持つポテンシャルを最大限に活かして社会へ還元する。そのために私たちが立ち上げたのが、技術と信頼で結ばれた「CNCパートナーシップ」です。

信頼で結ばれた4社のネットワーク

現在、このパートナーシップには、愛知・岐阜の志を同じくする4社が集まり、「手の内(技術やノウハウ)をオープンに共有し合う」という、これまでの常識を覆す共創の形をとっています。

パートナーシップへの想い・視点

株式会社アーティストリー

プラットフォームとして情報や案件を共有。「アーティストリーとその他」という関係ではなく、メンバー全員が自発的に発信し、高め合う関係を目指しています。

兼松木工有限会社

「普通なら手の内を隠したくなる時代なのに、アーティストリーはノウハウを惜しみなく教えてくれる。自社だけでは営業力も生産能力も限られているが、この活動のおかげで大変いい方向に向かっている」

株式会社アサヒ

「最初は5軸の扱いを海外の動画などで学んでいた。実務で先行するアーティストリーから仕上げのレベルやノウハウを直接学べる機会は、非常に有意義だと感じている」

有限会社コモリウッドワークス

「昔の木工業界は値段競争ばかりで横のつながりがなかった。こうして仲間になって仕事をしていけるのは素晴らしい活動。一社で大きな工場を持たなくても、メンバーが揃えば大企業に対抗できる大きなものづくりができる」

繋がりがもたらした、かつてない「協力と挑戦」

Q.月イチの定例会やチャットでの技術共有など、他社のオペレーターと『仲間』として繋がったことで、これまでは断っていたかもしれない案件が実現できた、あるいは仕事の視点が広がった瞬間について教えてください

A. 月イチの定例会や日頃の技術共有を通じて築いたパートナーとのつながりがあったからこそ、万博シェルターという大規模案件を実現できました。データがすべて異なる800パーツを超える部材を、職人による組み立て工程を見据えながら約1~1.5か月という限られた期間で加工する必要があり、自社だけでは対応が難しい状況でした。他の案件も並行して進める中、信頼できる仲間と連携して加工を分担できたことで、大きな挑戦を形にすることができました。

未来へ向けて:失われてゆく技術を5軸で残す「5軸アカデミー」の構想

 私たちは定期的に集まり、情報交換や技術勉強会を行っていますが、その議論の中で「将来、社会に向けて何ができるか」というワクワクするような夢やビジョンが次々と生まれています。

5軸アカデミーの創設

「機械を入れたけれど動かせない」という企業の初期課題に対し、私たちが持つ刃物の回転数、アプローチの方向などの実践的なノウハウを共有し、学べる場を作ること。

伝統技術の継承

職人の高齢化で失われつつある伝統工芸の技術を、最先端の5軸CNCを使って再現し、データと技術として未来へ残していくこと。

ウッドマイレージ(輸送コスト)の削減

遠くの地域から運ぶのではなく、地元の素材を、地元の高い技術を持つネットワークで加工し、地域へ還元する経済の仕組みづくり。

私たちは、この東海地区から始まった小さな連鎖反応を、全国へと広げていきたいと考えています 。それぞれのノウハウを活かしながら、困ったときに相談し合える関係が全国にできたら、日本の木工はもっと面白くなるはずです。

最後に

木工は本来、自然の素材を活かして人の生活を豊かにできる、最高に楽しくてクリエイティブな職業です 。

「アーティストリー」という一企業の枠を越え、地域の仲間たちと共に、ライスワーク(食べるための仕事)としても、ライフワーク(人生をかけた仕事)としても、誇りを持てる業界を作っていくこと 。それが、私たちの「5軸パートナーシップ」が目指す未来です。

これからもこの東海地区を起点に、ものづくりの楽しさを社会へ発信しながら、みんなでレベルアップし、共に持続可能な新しい木工の未来を「共創」していきます。今後の私たちの挑戦に、ぜひご期待ください!

PR TIMES 「CNCパートナーシップ」を正式宣言!

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