創 / Process
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2025年開催の大阪・関西万博。 「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに、世界が未来を描く舞台です。 その会場内を走るバスの拠点「EXPO 2025 大阪・関西万博JAPANマルシェ停留所」。 木の格子と映像が交わる造形、木材を用いることで、”伐って、使って、植えて、育てる” を繰り返す森林のサイクルをイメージ、「持続可能な未来社会」を表現しています。そんな特徴的なバス停の製造を担った三好さんにお話しを伺いました。

素材は国産杉の無垢材を使用することが条件でした。まず考えたのは、屋外に半年間設置した際に耐えられる構造を作ることです。杉は柔らかく、耐久性の確保は大きな課題でした。


加えて、形状はアシンメトリーで規則性がなく、すべてのパーツが異なる。これを綺麗かつ強固に組み立てる方法を徹底的に検討しました。通常の家具では同じパーツを複数作ることも多いのですが、今回は一点ものばかり。設計段階から組み立て方法を慎重に考えなければなりませんでした。
仕上げでも、杉材特有の節を丁寧に埋め、面取りも細部まで行いました。万博という公共の場で多くの人の目に触れるものなので、妥協は許されませんでした。

元のデータはすべて3Dで管理していました。そこから展開図や施工図を作成しましたが、図面だけでは複雑な形状を理解するのは難しい。そこでiPadやPCで3Dモデルを回転させて確認できるツールを活用し、職人もイメージしやすくしました。
加工はCNCで精密に行いつつ、仕上げや組み立ては熟練の職人が手作業で行いました。デジタル技術と職人技の融合で、複雑な形状と高い品質を両立させることができました。


鉄骨フレームに木製パーツをはめ込む構造で、鉄骨の施工精度と木工の加工精度に差がありました。その差をどう吸収するかが大きな課題でした。 また、工房中心の制作で現場施工は慣れておらず、運搬方法や組み立て手順なども議論を重ねました。
ありましたね。接続パーツは現場で寸法を確認しないと合わず、一度持ち帰って再加工しました。お客様からも節の埋め方や隙間に関する指示があり、その場で対応したり工房に持ち帰ったり。

ユニットごとに搬入・組み立てする中で、最後のパーツが金物にうまくはまらず、現場で追加加工しました。図面通りでも現場では微妙なズレが生じることを実感しました。
「万博のバス停、私たちが作ったんです」と伝えると、「見に行きましたよ!」「本当にあなた達が?」と驚いてくれる方が多く、本当に嬉しかったです。自分たちの作ったものが公共の場で活用されている実感を得られた瞬間でした。

――このプロジェクトを通じて、国産杉の魅力と職人技を生かした家具の可能性、そして現場での柔軟な対応力を学ぶことができたことを感じました。次章では完成後のお話や、アーティストリーにもたらした変化について伺います。